第155章真剣に考えてください

このコンペティションはジュエリー界の企業にとって重要であるだけでなく、デザイナー個人にとっても同様に大きな意味を持っていた。

実際、参加するだけでも知名度を上げる絶好の機会となるのだ。

トーレス家からは長らく天才的なデザイナーが輩出されておらず、当然ながら、彼らはアイリーンに優れた成績を収めてもらう必要があった。

ロナルドは沈黙したまま、目の前にいるクルスをただ見つめていた。

彼はアデラインが指摘したのと同じ欠点に気づいていた。

何よりも、クルスのセンスは本当に最悪だと感じていた。服装全体は小ぎれいにまとまっているものの、ダークスーツとエメラルドのネクタイピンに対して、赤い刺繍入りの靴...

ログインして続きを読む